糸と織物
Civには残念ながら、糸や織物テクノロジーは存在しません。席亭などはかなり大きな発明だと思うのですが、これも一つの見解なのでしょう。
衣服は前述した様に9)皮膚と皮膚感覚に関する技術です。ですが糸や織物からは、衣服以外も製造可能です。
まずWikiで「糸」を調べると、「糸」ページがヒットします。しかし残念ながら、「糸の歴史」ページは存在していません。
また「糸」ページに、→糸の歴史については「紡績」を参照、とあります。ですから、「紡績」ページから。
1)紡績(ぼうせき、英:spinning)とは、(比較的短い)繊維を糸の状態にすること。たとえば綿花、羊毛、麻、蚕糸の「屑」、化学繊維のステープルなど、比較的短い繊維から糸を作ること。大和言葉では「つむぎ」とも。
蚕の糸は、元々は長繊維です。短い繊維は撚らないと、糸には成りません。
2)本記事では、「紡ぐ」という素朴な行為から、それが産業化した「紡績」まで広く解説する。
3)概説
4)もともと「紡ぐ(つむぐ)」(英語で「spin スピン」)という古代から人類によって行われている行為があり、これは比較的短い繊維類(植物性繊維や動物性繊維)を引き延ばしつつ、撚り合わせる(よりあわせる、=ねじって、互いがからみつくように
一体化させる)という行為のことで、それを大和言葉ではそれを表現した名詞的(体言的)表現は「つむぎ」(英語では動名詞で「spinning」)と言い、素朴な行為から抽象化したものまで広い範囲を指しうる。
5)専門用語らしい表現や学術表現としては、漢字の組合わせの「紡績」が使われる。漢字の「紡」(紡ぐ/つむ・ぐ)は寄り合わせることを意味し、「績」(績む/う・む)は引き伸ばすことを意味する漢字で、
(「紡績」は「紡ぎ」の中でも、産業的なもの指すために用いられたり、学術用語として用いられ)主に綿や羊毛、麻などの短繊維(最長でも1.5m程度のもの)の繊維を非常に長い糸にする工程をいう。
6)紡績によって作られた綿糸などは「紡績糸(スパンヤーン、ステープルヤーン)」と呼ばれる。
7)綿とポリエステルのように、複数の種類の短繊維を混ぜ合わせて紡績することを混紡という。
合成繊維、化学繊維などは射出成形でしょうから、元々糸は長い訳です。
8)これに対し、長繊維の絹を蚕の繭から繰り出し、ばらばらにならないよう数本まとめて撚る工程は製糸と呼ばれる。
これは席亭も知りませんでした。
9)同様の長繊維でもナイロンなど高分子材料から新たに繊維をつくることは紡糸という。こうしてできた糸はフィラメントヤーンと呼ばれる。
10)スパンヤーンとフィラメントヤーンのどちらが織物に向いているかは、見た目と肌触りによる。
11)肌触りでは、紡績で作ったスパンヤーンは短繊維を撚り合わせているので繊維の端(毛羽)があちこちにあるため、肌への接触部分は点状になりやわらかい。
12)一方、絹糸など繊維側面全体が肌に当たるフィラメントヤーンは、見た目はよいが肌触りは冷たくて硬いことになる。
絹糸は高価な為、下着、肌着には余り使用されません。席亭は(乾くのが速い)麻糸/夏着などが好きです。(笑)
13)ただし撚りが多いスパンヤーンは、硬くなり光沢もなくなっているため、手触りも痛く見た目も劣ることになる。
14)これらをどう織るかで、さらに見た目や肌触りは変化する。
15)歴史:→「麻」、「麻 (繊維)」、「ウール」、「絹」、「絹の歴史(英語版)」、「シルクロード」、「木綿」、および「木綿の歴史(英語版)」も参照
木綿は綿の事ですが、何故わざわざ木綿と呼ぶのでしょうか? 実は真綿とは絹の事で、木綿よりも歴史が古いのです。AIによれば、綿は8世紀末にインドから伝わり、絹は弥生時代には既に伝わっていました。
16)手紡ぎ:→詳細は「紡錘」を参照
17)紡績の起源は不明だが、考古学によれば約2万年前の旧石器時代のものとされる糸の切れ端と思われるものが見つかっている。
18)紡績の最も原始的な形態は、動物の毛のふさや植物の繊維を手で自分の体に巻きつけ、紡績糸が十分な長さになるまで原料を追加していくというものだった。
19)その後、石に糸の先を結んで、それを回して十分「撚り(より)」(=ねじり)をかけ、それからその石に縒糸を巻きつけるという作業を繰り返すようになった。
20)次に登場した手法は、(石のかわりに)8インチから12インチ程度の真っ直ぐな棒(紡錘「つむ」「スピンドル」と呼ばれるもの)を使うもので、その棒をスピンさせることで繊維に撚り(ひねり)を加えて、縒った糸を巻き取るのにも使われた。
21)当初、棒の先に割れ目があって、そこに糸の先端を固定していた。
何処かのマンガに載って居そうです。(笑)
22)その後、骨製のフックが紡錘の先端に追加されるようになった。
23)羊毛や植物の繊維の束を左手に持って右手で繊維を引き出し、その先端を紡錘の先端に固定する。
24)腿の上や身体のどこかを使って紡錘に回転運動を与える。
25)そして紡錘を落とすと、糸が縒られ、それを紡錘上部に巻きつけていく。
26)このような作業を繰り返して糸を紡いでいく。
27)羊毛やアマなどの繊維を巻きつけておく糸巻き棒(distaff)が使われるようになった。これは原料となる繊維の束を巻きつけておく棒である。
28)その一端を腕に挟んだり、ベルトに挟むなどして、片手を自由にして繊維を引き出せるようにした。
29)棒をスピンドルとして紡ぐ経験を重ねると「糸を多く巻きつけた紡錘ほど(重くなり、回転しはじめると)回転が安定して持続する」ということに大抵の人が気付く。
30)そこで紡錘の下端に重りを付けるという改良がなされた(「紡錘」の「錘」は重りである)。
31)重りには木材、岩石、粘土、金属などを円盤状にしたものが使われ、その中心の穴に紡錘の棒を差し込んで使った。
32)これによって紡錘の回転が安定して持続するようになった。重り付きの紡錘は新石器時代に登場した。
これはスピンドルで画像検索をすれば、図や写真が掲載されています。
33)糸車:→詳細は「糸車」を参照
34)10世紀ごろまでに糸車が考案され、12世紀にはヨーロッパ、中東、インド、中国で使われていた。糸車によって紡績の手間が軽減され、さらに紡績機の発明へと繋がっていった。
以下は省略します。次は「糸」ページです。
1)糸(いと)とは、天然繊維、化学繊維の両方、もしくはいずれか一方の繊維を平行に引き揃えたもの。
2)多くの場合、撚りをかけたものである。
3)工業的に撚りをかけたもののことを専門的には撚糸(ねんし)という。繊維製品はごく一部のものを除いて糸を原料にして構成される。
4)フィラメント糸やクモの糸の様な紡績とは無関係な長細い形状の物も含めて糸と呼ぶ。
5)英語では「縫い糸」は「スレッド」(英:thread)、「紡ぎ糸」は「ヤーン」(英:yarn)、 「たこ糸」「楽器の弦」は「ストリング」(英:string)、「釣り糸」は「ライン」(英:line)と呼び方が異なる。
やはり英語は野蛮です。(笑)
6)→糸の歴史については「紡績」を参照
7)糸の分類
8)原料による分類
9)糸は原料によって、綿糸、麻糸、毛糸、絹糸、レーヨン糸、ナイロン糸、ポリエステル糸、アクリル糸などに分けられる。
10)形態による分類
11)フィラメント糸と紡績糸
12)長い繊維で構成されているフィラメント糸(filament yarn)と比較的短い繊維で構成される紡績糸(spun yarn)に大別される。
13)フィラメント糸−フィラメント糸には化学繊維フィラメント糸や、繭から繊維を繰り出して作られた解舒糸(かいじょいと)がある。
14)紡績糸−綿糸、麻糸、毛糸のほか、くず繭などの短い繊維から作られた絹紡糸、化学繊維紡績糸などがある。
15)フィラメント糸は光沢に優れ、毛羽はなく、細くて強いが、冷たい質感をもつ。一方、紡績糸は毛羽が多いが、柔軟で温かい質感をもつ。
肌感は下着やソックス、手袋、帽子以外には問題と成らないので、現代で使用可能な繊維はかなり多いのでしょう。
16)紡績糸はさらに製造方法により、リング糸、オープンエンド糸、和紡糸などに分けられる。
・リング糸−リング精紡機で製造された糸。
・オープンエンド糸−オープンエンド精紡機で製造された糸で、一度繊維を分離してから再度撚りを与えて糸にしたもの。リング糸に比べて空隙が多く、太さむらは少なくできる反面、糸の引っ張り強度は落ちる。
・和紡糸−和紡精紡機で紡績された糸を和紡糸またはガラ紡糸という。
17)複合糸と混紡糸
18)複数の繊維素材を組み合わせた糸を複合糸(composite yarn)という。
19)複合糸の代表例にフィラメント糸を軸にその周囲を異なる短繊維で覆ったコア・スパンヤーン(core-spun yarn)がある。
20)一方、2種以上の異質繊維を混合あるいは調合して紡績した糸を混紡糸(blended yarn)という。
21)特殊な糸
22)特殊な糸として次のようなものがある。
・箔糸−金箔糸や銀箔糸など
・撚り箔糸−金糸や銀糸など
金糸や銀糸は装飾用でしょうが、これ以外にも各種ビーズを糸に通す事で修飾が可能です。
→ビーズ
23)撚りによる分類
#糸の撚りを参照。
24)糸の撚り
25)短繊維の場合、撚(よ)りをかけないと僅かな力で滑り抜けてしまう。そのため絹や化学繊維のフィラメントなどの一部の製品を除いて糸は繊維に撚りをかけて作られる。
26)ポリエステルのようにもともと長い繊維(長繊維)も2本以上の繊維をねじることで強度が増すため使われる。
27)繊維を撚り合わせることで太く長くなり、様々な用途に使えるようになる。
28)糸にするために、材料となる繊維を長く伸ばすことを「績む(うむ)」、撚り合わせて糸にすることを「紡ぐ(つむぐ)」という。
29)撚りの方向
30)糸には撚りの方向により左撚り(Z撚り)と右撚り(S撚り)がある。
31)撚りの強さ
32)糸には撚りの強さにより甘撚り糸、弱撚糸、並撚糸、強撚糸、特別強撚糸がある。
・甘撚り糸−撚りの少ない糸
・弱撚糸−撚りが1メートルあたり300以下
・並撚糸−撚りが1メートルあたり300−1000
・強撚糸−撚りが1メートルあたり800−3000
・特別強撚糸−撚りが1メートルあたり3000以上
33)撚り合わせ
34)糸には撚り合わせにより片撚り糸(単糸)、諸撚り糸(諸糸)、撚り絡み糸または飾り糸に分けられる。
35)撚り絡み糸には、ネップヤーン、スラブヤーン、ループヤーン、鎖糸、笹縁(ささべり)糸、杢(もく)糸、壁糸などがある。
36)糸の太さ
37)糸や繊維の断面は一般には完全な円形ではない上、糸は一般には柔らかく、かかる力や撚りの状態などによっても物理的な「太さ」は変わってくるため、釣り用のモノフィラメント糸や金属繊維等(これらは糸自体も硬くてつぶれず、
断面も円形に近くある程度の太さもある)の例外を除いて、直径(繊維径)や断面積で直接表すことは実質的に不可能である。
38)そのため一般には糸の太さは長さと重量の関係から間接的な指標として表され、恒重式番手法と恒長式番手法がある。
以下は省略します。
39)動物が使う糸
40)動物自身が糸を使う例も多々ある。糸は巣を作る際や動物体を基質に固定するなど、それぞれに用途がある。
ですから、糸の発明も人間では無い訳です。(苦笑)
41)代表的なものを以下にあげる。
・昆虫類
・チョウ目・ハチ目・アミメカゲロウ目:幼虫が口から。繭を作る際などに用いる。
・シロアリモドキ目:前足から。
・クモ綱
・クモ目:腹部末端の出糸突起から。
・カニムシ目・ダニ目(ハダニ科など):触肢から。
・二枚貝類:足糸を持つ例がある。
・ハナギンチャク:刺胞の糸を巣作りに使う。
42)関連項目
針、紡錘、糸車、釣り糸、テグス、縫合糸、弦 (楽器)、糸部−漢字の部首。
次は「織物」ではなく、「繊維」ページです。
1)繊維(せんい、英:fibre)は、細く、しなやかな素材。細くて長い物質。
2)概説
3)動物の毛や皮、植物、カイコの繭など天然素材から得た天然繊維を使用してきた歴史が長いが、19世紀末ころから人工的な繊維が作られるようになり、20世紀以降は大量生産体制が整い、主流となった。
4)繊度
5)繊度(fineness)とは、繊維(や糸の)太さ(や細さ)を表す用語、概念。長さと重量との比であり、恒重式番手法・恒長式番手法で表される(糸#糸の太さも参照)。
6)繊維の断面は完全な円形ではないので、直径や断面積では表せないとされている。
7)構造
8)天然繊維は、複雑な構造を持っているものが多い。
9)一方、人造繊維は、特定物質を強く引き延ばしたり、高圧をかけて微小な穴から射出したりして作り、大抵は天然繊維ほどは複雑ではない。
10)歴史
11)歴史学者は、古代メソポタミア人が羊の毛を刈って服を作ることを発見した、と考えている。
12)最初、ウールをフェルトの形で使い、その後、毛織物として使うようになった。
13)古代は、遊牧民は獣毛を原料にフェルトを作ったり、毛織物を着用していた。一方、農耕民は麻の繊維を織った布を着用した。
14)古代エジプトでは羊(やヤギ)を家畜としてウールを、また亜麻を栽培してその繊維を亜麻の繊維も得て、亜麻布と毛織物の両方が使われていたが、亜麻布が"清浄"と見なされたのに対し、毛織物は"不浄"と見なされ、
富裕な人などが着用したものの、神殿(en)では着用できなかった。
これは席亭も知りませんでした。
15)シルク(絹)の使用は、新石器時代、今から8500年以上前の中国ですでに使われていた、との証拠が見つかっている。
16)人造繊維の始まり
17)1883年、イギリスでジョゼフ・スワン(Joseph Swan、1828年−1914年)がニトロセルロースから繊維を試作し「artificial silk」(人造絹糸)と名づけた。
これは人絹でしょう。
18)1884年、フランスのイレール・ドゥ・シャルドネ(Hilaire de Chardonnet、1839年−1924年)がやはり硝酸セルロース(ニトロセルロース)からレーヨンを製造し、1889年のパリ万国博覧会に「シャルドネの絹」として出品された。
19)こちらもフランスで人造絹糸(soie artificielle)と呼ばれた。
20)ナイロンストッキングの編まれた目の拡大写真
21)1936年にアメリカのデュポン社のウォーレス・カロザースがナイロンの合成に成功し、1939年にデュポン社がナイロン繊維の工業生産(大量生産)を開始した。
22)この繊維は石炭・水・空気から作ることができ、当初は歯ブラシのいわゆる「毛」の部分に使い商品化していたが、1940年5月15日に全米でナイロンストッキングを発売、発売1年で6400万着も売れた。
23)だが、第二次世界大戦が始まっており、各国政府は次第に軍需を優先するようになり、ナイロンはパラシュートの傘やコードの部分に使われるようになっていった。
ナイロンはさして丈夫とは思えませんが、パラシュート応用は大丈夫なのでしょうか?(〜一度使用?)
24)分類
25)繊維は天然の植物・動物・鉱物から採取される天然繊維(natural fibers)と人造の人造繊維(man-made fibers)に分けられる。
26)なお天然繊維と人造繊維の分類は、繊維の一般的な分類の方法であるが、天然繊維の綿を樹脂で架橋結合したものや、複合繊維のように、単純に2分類できないものもある。
27)紡織繊維
28)繊維のうち紡績などの加工に耐えうる強靭さを有する繊維は紡織繊維という。
29)天然繊維
30)天然繊維は繊維の形状が自然に作られたもので、伝統的に植物繊維・動物繊維・鉱物繊維(石綿の類)に分類されている。
31)植物繊維は、「セルロース(系)繊維」と呼ばれることがあり、植物の種類でさらに細分類される。コットン(木綿)、リネン(亜麻)、ヘンプ(麻)、ラミー(苧麻)等々である。植物繊維は植物の茎・葉・種子から採取される。
32)動物繊維は、「タンパク繊維」と呼ばれることがある。動物繊維は主に獣毛、シルク(絹)に分類でき(さらにクモの糸も挙げる場合があり)、獣毛は毛の質によりウールとヘアーに分類することもできる。
33)ウールを動物の種類で細分類することも一般的である。
34)代表的なのは羊毛であるが、他にもアンゴラヤギ(アンゴラ)、カシミヤヤギ(カシミヤ)、ふたこぶラクダ(キャメル)、アルパカ(アルパカ)、ウサギ(アンゴラ)などと分類されている羊毛は、羊の種でさらに細かく分類されている
(詳細は別記事ウールで解説)。
席亭も、アンゴラに2種類ある事は知りませんでした。
35)人造繊維
36)人造繊維(日本では「化学繊維」と呼ぶこともある)は繊維の形状が人工的に作られたもので有機質繊維と無機質繊維に分けられる。
・有機質繊維
・合成繊維(ポリエステル、アクリル、ナイロン、ビニロン、ケブラーなど)。
・半合成繊維
・再生繊維−レーヨン、リヨセル、キュプラ、ポリノジック、ポリエステル繊維など。
37)近年では有機質繊維の中でも特にポリエステル繊維の生産量・消費量が多い。
38)ポリエステル繊維は、強度に優れ、染色時の発色も良く、汗をすばやく蒸散させ、紡績方法の工夫で天然繊維のような風合いも出すことができるなど、優れた性質をいくつも備えており、原料から合成することも、リサイクルペットボトルから
安価に製造することもできるので、衣料品・インテリア品などで多用されるようになった。
39)無機質繊維
金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維、岩石繊維(ロックファイバーなど)
40)短繊維と長繊維
41)繊維はまた短繊維と長繊維に分類される。
42)動物繊維は通常、長さが比較的短く、これはstaple fiber(短繊維)と呼ばれている。対して、シルク(絹)は連続的なフィラメント(長繊維)である。
以下は省略します。そしてお待たせしました、次は「織物」ページです。
1)織物(おりもの)とは、糸を縦横に組み合わせて作った布地である。
2)織物を作ること、あるいはその織り方や風合いを織り(おり)といい、完成した製品(織物)も技法や産地を冠して「〜織」(おり)というものが多い。
3)漢字では伝統的に植物繊維による織物を「布」、絹織物を「帛」といい、両者をあわせた布帛(ふはく)も織物を指すことばである。
4)また、織物は英語風にテキスタイルまたはテクスタイル(英語:textile)とも呼ばれる。
5)織物は一般的には織機で製作される。
6)織機は「はた(機)」とも呼び、織機を使って織ることを機織り(はたおり)とも言う。
7)織機の基本的な原理は、経糸(たていと)を張りその間に緯糸(よこいと)を通すもので、この通し方(織り方)と糸の素材や太さ等によって、布地の基本的な性格が決まる。
8)代表的な織り方には平織・綾織(斜文織)・繻子織の3種があり、これを「三原組織(さんげんそしき)」と呼び、更に絡み織(綟り織、もじりおり)を加えて四原組織とする場合もある。
9)これらの組織を複雑にしたり、使用する糸の色や太さ等を変えたり、あるいは多様な染色を施すことによって、複雑な染織品が生産される。
10)機織りは先史時代から行なわれ、織物は衣服や寝具、敷物、家具、さまざまな道具、日用品等に幅広く使われるほか、タペストリー等の芸術品としても製作されてきた。
11)織物業の専門化や機織り技術の程度は文明や地域、時代によってかなり幅があるが、総論すれば、産業革命以前には、自家用の布は各家庭で織られる場合が多く、専門職人による高品質な織物は富裕層のほぼ独占するところであった。
12)18世紀以降、イギリス・フランスを中心に織物産業の機械化が始まり、これが産業革命の一原動力となった。
そう言えば日本にも、絹織物が沢山輸入されていました。先日NHKの知恵泉で対中貿易、銀→絹が語られていました。
13)紡績技術の進歩や、牧羊・綿花栽培の集約化、そして19世紀に入って力織機が開発され、安定した品質の織物が大量生産されるようになった。
14)近年では商業的な織物生産は、コンピュータ制御のジャカード織機を使ったものが殆どとなっている。
15)一方、人力で織機を動かす伝統的な織物生産も行われており、高い付加価値を持つ製品として流通したり、手芸の一つとして行われることもある。
16)日本語において、手織り(ており)とはもともと工房ではなく自宅で織物を生産すること、またその製品を指していたが、明治時代に日本に力織機が導入されて以後は、このような人力で動かす織機(手織機)を用いて織ること、
またその完成品も手織りと呼ばれるようになった。
17)なお、織りはござや筵等を作る時にも用いられる技法であり、また日本語の「織り」にほぼ相当する英語のweaveには籠などを編むことも含まれる。
18)織りの工程、素材、分類
19)織りの基本:→「織機」も参照
20)織りの基本は、織機を用いて、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の2組の糸を直角に交差させることである。
21)一般に経糸は平行に張られ、この時、経糸は綜絖(そうこう)によって、2つ以上のグループに分けられ、上下(絨毯等を織る縦型の織機(竪機)の場合は前後)に2つの面を作る。
22)隣り合う経糸は基本的には違うグループに属する。
23)綜絖を操作すると、経糸はグループ単位で上下(前後)に動き、2つの面の間に緯糸を通すための隙間(杼口)が空く。次いで、この開口部に緯糸を通す。
24)その後、筬(おさ)やへら等によって緯糸を打ち込む。綜絖の操作と緯糸の通過、緯糸の打ち込みを繰り返すことで織物が織られていく。
25)織物の幅は、手織機の場合、織手の手の届く幅(腕を広げた幅)に制約され、幅広の布を織るためには複数人の織手を必要とするが、飛び杼の発明以降は、広幅の布地を織ることが容易になった。
26)また、手織りでは緯糸は杼(ひ)に直接巻き付けたり、小管に巻きつけた上で杼に収めて用いることが多いが、多くの色糸を用いる複雑な手織物、特に太い糸を使う敷物などでは杼を使わない場合もある。
27)現代ではレピア織機やエアジェット織機等の無杼織機が高速の機織りを実現している。
28)経糸のグループ分けや上下させる順序によって、平織・綾織・繻子織等の異なる組織が作られる。
29)平織は経糸と緯糸が1本おき(もしくは同数おき)に交差するのに対し、綾織は経糸と緯糸のいずれかが他方の上を1本、下を2〜3本通過することを繰り返し、経糸と緯糸の交差する組織点が斜めの文様を形成する。
30)また繻子は、経糸か緯糸のいずれかがもっぱら表面に出るとともに、組織点が連続しないように計算された織り方である。
31)一般的には平織より綾織、綾織より繻子が柔らかい反面、耐久性に劣る。途中で組織を変えて複雑な織文様を織り出すものもある。
32)素材
33)織物には伝統的には大麻や亜麻、葛、楮、木綿、バショウ等の植物繊維や、羊等の毛や蚕糸等の動物繊維が素材として利用されてきた。
34)また、19世紀以降は、技術開発によりさまざまな化学繊維・合成繊維も利用されている。
35)織物はこれらの原料繊維名を冠して、麻織物、綿織物、毛織物、絹織物等と分類されることもある。
36)異なる繊維を使って布を作ることを「繊維の混用」というが、糸の段階で混ぜることを混紡(こんぼう)と呼び、縦糸と横糸を異なる繊維にして織ることを交織(こうしょく)と呼ぶ。
37)日本などでは、部分的に金属箔を加工した金銀糸等を使用することもある。
金糸、銀糸です。
38)また、経糸と緯糸の太さや密度、素材を変えることで、畝のある畝織(リップス織)や、経糸が見えず緯糸だけで絵画的な表現を行なうタペストリー等が作られる。
39)糸の輪や毛羽を立てた織物はパイル織物と呼ばれる。
40)織りと染色:→「染織」も参照
41)織物の大半は染色の行程を伴う。
42)染色には大きく分けて、糸の段階で染める「先染め」と、織った後に染める「後染め」がある。
43)あらかじめ染められた様々な色の糸を使って縞や格子、あるいはより複雑な文様を織り出す技法は古くから一般的であり、現代でもたとえばチェック柄やタータン等として普及している。
44)タペストリー等では緯糸を横幅いっぱいではなく一部の経糸だけにかけて文様を表現する。
45)錦のように、複数の色糸を組にして1本の緯糸もしくは経糸として扱い、必要な色だけを表面に出すことによって文様を表現する手法もある。
46)縫取織は文様の部分だけに必要な色糸を加えて複雑な多色の文様を表現する。
47)近代にはジャカード織機の発明によって、多色糸で文様を表現した織物を工業的に大量生産することが可能となった。
48)また、先染めの中でも、事前に絞り染めした糸を使って文様を表現する織物は絣(イカット)と呼ばれる。
49)後染めには、布全体を染料に浸ける「浸染」や、筆や型紙等を用いて染料を摺りつける「捺染」等がある。
50)浸染によって文様を表現するために絞り染めや板締めによる防染(夾纈)、蝋や糊を用いた防染等の技法がある。
51)筆を使う捺染技法には友禅等があり、型紙を用いるものに更紗等がある。
52)現代ではシルクスクリーンを用いたプリント地の大量生産が行われている。
53)織物技術の歴史
54)機織りは旧石器時代には行われていた証拠が発見されている。例えばチェコ・モラヴィア地方のドルニ・ベストニツェの遺跡では不明瞭なものながら織物の圧痕が見つかっている。
55)新石器時代の遺物としては、トルコのチャタル・ヒュユク遺跡から紀元前7千年紀の織物が発見されている。
56)エジプトでも、紀元前5000年ごろと見られるファイユーム出土の亜麻織物の断片や、紀元前3000年〜2000年の衣類等が発見されている。
57)ファイユームの断片では1cm四方あたり縦横に12本と9本の糸が使われている。
58)またバダリ文化(英語版)の遺跡等から織物工房を描いた皿等も発見されている。
59)ナイル川流域では主にアマが繊維として使われた。
60)最初期の織機は経糸の端に錘を付けてぶら下げる竪機であったが、次第に技術が発達して、各地の文明において複雑な機構を持つ竪機や水平機が開発されたと考えられている。
61)シュメールでも織物が織られていた。
62)イーストン聖書辞典(1897)によれば、旧約聖書には古代の機織りについて数多くの言及がある。
63)機織りは非常に早くから行われてきた(Ex35:35)。エジプト人が特にそれを得意とし(Isa 19:9;Ezek27:7)、エジプトで発明されたとする者もいる。
64)荒地ではヘブライ人も織物を織った(Ex26:1,Ex26:8;28:4,28:39;Lev13:47)。その後、機織りは女性の仕事とされるようになった(2Kings 23:7;Prov31:13,24)。
65)聖書には織機そのものについては言及がないが、「機の杼」(Job7:6)、「くぎと機」(Judg16:14)、「機の緯線」(13,14)、「機の巻棒」(1Sam17:7; 2Sam21:19) といった言葉が出てくる。
66)中国では紀元前3500年頃には絹織物の生産が行なわれていた。
67)紀元前2700年頃の墳墓から精巧な染織品が発掘されている。
68)養蚕は紀元前200年頃までに朝鮮半島や日本列島等に伝わったと考えられている。
69)→「養蚕業」および「日本の染織工芸」も参照
70)イスラム世界での足踏み織機の発明
71)8世紀からのイスラーム黄金時代において、足でペダルを踏んで綜絖を操作する機構が発明された。
72)この発明はシリア、イラン、東アフリカのイスラム圏で最初に見られ、1177年ごろまでにはアンダルスでさらに改良され、より強固な枠をより高い位置に設置するようになった。
73)足踏み式の発明によって、両手が自由になり、杼の操作が容易になった。
74)ヨーロッパでの織物産業の発達
75)ヨーロッパでは羊毛が主要な繊維原料で、その他亜麻やイラクサも用いられていたが、9世紀にはシシリアやスペインに木綿がもたらされた。
76)12世紀、ノルマン人による南イタリア征服を通じて、木綿はヨーロッパ全域に広がった。
77)また東方より進んだ絹織の技術が流入し、他の原料による織物の技術にも応用された。
78)それまでヨーロッパでは原始的な縦糸錘竪機が主流であったが、10世紀から11世紀にイスラム圏から足踏み式の水平織機が入ってきた。
79)中世後期になると、都市の発展と技術発展により、織物業の専門化が進み、織物の生産・販売はギルドが独占するようになった。
80)専業化によって技能の改良・伝承が進み、より細い糸でより品質の高い織物が生産されるようになり、交易品として発展していった。
81)特にフランドルのブルッヘなどでは大規模な織物製造業が発展し、このような機織りが盛んな都市では、織物業者のギルドが政治的にも経済的にも大きな力を発揮するようになっていった。
82)13世紀には、問屋制家内工業体制が成立した。織物商人は羊毛を購入して織手に前貸しし、決まった価格で織手から完成品を買い取ることで、織物産業を経済的に支配した(商業資本主義)。
83)イングランドのノリッジ等は毛織物商人によって栄えた。この頃までに、足踏み式糸車の開発によって、糸の供給が潤沢になり、織物生産の速度が向上した。
84)14世紀の百年戦争やペスト流行による人口減少を経て、16世紀のイングランドでは囲い込みや、都市のギルドの制約を受けない農村での集約的な毛織物生産が行われるようになり、工場制手工業へ移行した。
85)大陸ヨーロッパでも、プロテスタントが織物業で成功し、高度な技術を持っていたが、フランスにおけるユグノー(プロテスタント)の迫害が深刻化し、17世紀後半には彼らがフランス国外に移住したため、イギリスやドイツでの毛織物や
絹織物業が発展した。大型の織機の操作は重労働で、専門職人は男性が占めるようになっていった。
以下は省略します。
86)各地の特徴的な染織
87)中東
88)中東各地では伝統的な手織りのペルシャ絨毯やキリムが重要な工芸品であり、イランのファールスやカーシャーンの絨毯織りの技術、アゼルバイジャン絨毯、ベドウィンの女性の織るアッ・サドゥ(アラブ首長国連邦)はユネスコの無形文化遺産
に登録されている。その他、ケルマーンやアラークの製品がよく知られている。
89)南アジア
90)南アジアでは、伝統的に染織が発達しており、大航海時代には、南アジアの織物がヨーロッパや世界各地にもたらされ、各地の服飾や織物産業に大きく影響を与えた。現在でも手織・力織ともに重要な産業である。
91)バングラデシュのジャムダニは精巧な綿織物で、その織り技術はユネスコの無形文化遺産に登録されている。
92)東南アジア
93)東南アジアでも、インドネシアのバティック(無形文化遺産)やイカットをはじめ、各地で特徴的な織物が産出されている。
94)東アジア:→「日本の染織工芸」も参照
95)中国では紀元前3000年頃より高度な絹織物の技術が発達し、周辺国にも及んだ。
96)「中国の養蚕・絹織物の職人芸術」やリー族の繊維技術もユネスコ無形文化遺産である。
97)また苗族等の少数民族の織物も世界的に有名である。
98)毛織物はチベット周辺の遊牧民による絨毯の製造が盛んである。中国以外では朝鮮毛綴があげられる。
99)北米南西部
100)北米南西部のプエブロ、ズニ、ユト等の部族は古くから木綿を染色した糸で織っていた。
101)この地を最初に訪れたスペイン人らはナバホ織りの毛布について記している。
102)スペインからナバホ・チュロ種(英語版)の羊がもたらされると、毛織物も盛んになった。
103)18世紀以降、ナバホは特徴的な赤色の毛糸等を輸入して、さまざまな紋様の敷物等を織り、交易するようになった。
104)植民地時代のアメリカでは、植民地では原材料の生産を奨励し、工業化を抑制するというイギリスの植民地政策のもと、高度な織物産業の育成は阻害されていた。
105)1699年羊毛法(英語版)によって植民地からの羊毛や毛糸・毛織物の輸出や、植民地への羊毛製品・亜麻製品の輸入が厳しく制限されたため、入植者は主に現地で産する羊毛、木綿、亜麻等で簡単な平織を織り、プリントや刺繍で装飾した。
106)アマゾン川流域
107)アマゾン熱帯雨林では、原住民がヤシの靭皮繊維を稠密に織った蚊帳またはテントを使っていた。
108)ペルーのアマゾン川流域に住むウラリナ族は他にもヤシの繊維を使って、網、ハンモック、織物を織っていた。
109)ウラリナ族の神話では織ることが全ての中心であり、創造神話では洪水後のウラリナ族再生に女性の織りに関する知識が重要な役割を演じている。
110)ヤシ繊維の布は埋葬の際に副葬品として入れられたが、同時に労働の対価や物々交換の基本として通貨のような役割を担っていた。
織物も、租税の対象と成ります。
111)アンデス文明
112)アンデス文明では複雑な紋様を表現する織物が発達した。特にタキーレ島(英語版)のケチュアの織物技術はユネスコ無形文化遺産に登録されている。
113)関連項目
114)編物(織物と対比される)
115)藕絲織
116)縮絨(英語版)−毛織物などを選択して不純物を取り除き、摩擦と圧力で縮ませる工程
117)タフティング(英語版)−布に羊毛を打ち付ける工程。タフティングガンという機械を用いる場合もある。
118)繊維強化プラスチック−骨材としてガラス繊維や炭素繊維を糸のように使った織物シートが用いられる。
→編物
「イスラーム世界の拡大」に戻ります。
←戻る