家畜の飼育

Civには前述した様に、「畜産」テクノロジーが存在します。この「家畜の飼育」は直接的には11)手足とその力学的な出力に関係しますが、飼育の目的に応じて種々の要素に関係しています。
Wikiで家畜の飼育を調べると、「家畜」、「畜産」、「放牧」、「牧畜」ページなどがヒットします。まずは「家畜」ページから。

1)家畜(かちく、英:domesticated animal)とは、ヒト(人間)がその生活に役立つよう、野生動物を品種改良した動物。
犬や猫、金魚などは確かにそうですが、果たして人間が品種改良したから家畜に成ったのでしょうか?
2)哺乳類や鳥類が多いが、他の種類の動物も含まれる。
3)利用目的により、農用動物・愛玩動物・実験動物の3種に大別できる。

4)野生であったものが家畜に変わること、および(ヒトが)家畜に変えることを「家畜化」と言う。また、家畜動物が人間の管理を離れ、野生で生活・繁殖するようになることを「再野生化」と言う。
5)再野生化した動物には野猫や、御岬馬などの野生馬などがある。
御崎馬(みさきうま、岬馬とも)は、宮崎県串間市の都井岬に生息する日本在来馬の一種、国の天然記念物、とあります。
6)日本語の「家畜」は上述の家畜のうち一部のみを指すことがある。
7)農業生産に直接的に関わる農用動物のみを指して「家畜」と呼ぶことがある(※農用動物は、畜産物を生産する『用畜』と、労働力として利用する『役畜』(使役動物)に大別される)。
8)また、哺乳類の家畜だけを「家畜」とし、鳥類を家禽(かきん)と呼び分けることがある。

9)定義:
10)家畜(かちく)とは、その生産物(乳、肉、卵、毛、皮、毛皮、労働力など)を人が利用するために馴致・飼育している動物を指す。鳥類のみを指した場合は家禽(かきん)と呼ぶ。
11)この用途の動物については、近年では「産業動物(経済動物)」という呼称が一般化しつつあり、家畜の存在は社会基盤の1つとして認識されている。
12)また、国の法令でも「産業動物の飼養及び保管に関する基準」があり、ここでの産業動物の定義として「産業等の利用に供するため、飼養し、又は保管しているほ乳類及び鳥類に属する動物をいう。」としている。

13)英語"domesticated animal"は「飼い慣らされて人間環境に適合した動物」を意味し、家庭用に品種改良をされた動物も含まれる。
14)イヌやネコのようにペットとしての一面があるものや、キンギョのようなペットは、品種改良によって野生種では生存不可能あるいは繁殖不可能な形質をもって固定された品種も多いため、「家畜」に含まれるが、
   本義に「人間環境に適合させた動物」とあるように悪い語意は無い。
15)さらには、家畜として一般には認識されている動物種がペットとして飼育されることもあり、これらから愛玩動物(いわゆるペット)や鑑賞用の動物を含めるとのする意見もある。
16)そもそも愛玩には玩具のような物を指す意味はない。また飼い主にとって、対人関係と同様の愛情を注ぐペットと、そうでない家畜の認識の違いは明瞭である。
17)しかし、それは一般の認識とは少なからず乖離が生まれることが多く、それは家畜に対しても同様とする意見もあり、認識の乖離は深刻な問題となることがある。
18)さらに「玩」の字には「弄ぶ」「慰み物にする」などネガティブな連想を含み、さらにはネグレクトや虐待の概念と併せて社会問題化することがある。
確かにペットの存在は、愛する、可愛がる、動物虐待と、人によって異なるでしょう。人間が居るからこそ種が保たれ、繁栄する、人間が居なくなっても野生化するだけ、と意見は分かれそうです。(笑)

19)このようなことを避けるため、定義には法律や語彙を越えたコンセンサスが必要となる。
20)最も厳密に定義すると、家畜とは、単なる馴致や生産物の利用だけでなく、家畜化の過程で野生種と比較して体形をはじめとする外見が変化し、
   動物が生み出す生産物や、個体そのものの繁殖も含めた全ての生命維持活動を利用する事に特化し、人の管理下に置かれるようになった哺乳類や鳥類を指す。
21)そして人間が利用する動物の中で、愛玩動物(キンギョ、インコなどのペット)は除かれる。その見地からは、ハチやカイコなど一部の昆虫が定義の中に含まれている。
22)一例として、家畜伝染病予防法の第2条(「家畜伝染病」の定義)で、伝染性疾病の種類「腐蛆病」・家畜の種類「セイヨウミツバチ」が含まれている。
23)またこの見地からは、一部の魚介類(マダイ、カキ、アコヤガイなど)や爬虫類(スッポン、ヘビ、ワニ)は、人が食用や薬用、皮革など工業用に利用するために養殖されており、同義の動物ではあるが、
   これら変温動物や前述のハチを家畜と呼ぶことは少なくなる。
24)同様に、人間の飼育下で繁殖させた動物でなく、シカやキジ、イノシシなど食用に供するために野生動物を捕獲したならば、保管を目的に一時的に飼育したとしても家畜には含めない。
25)したがって、野生動物を捕獲したものであっても、個体を食肉以外の目的で飼育していれば愛玩動物には含まれる可能性はあり、それを繁殖させれば広義の家畜に含まれる可能性がある(ただし日本では鳥獣保護法に抵触する)。
26)一例として、インドゾウは人間の飼育下での繁殖が難しく、飼育されている個体は野生動物を捕獲したものがほとんどである。
   しかしながら長命であり、人間の管理下で繁殖した他の家畜よりも、はるかに長い期間を人間の飼育下で過ごす。これを家畜に含めるかどうかは異論がある。
27)ただしインドゾウが実用に供されたのは過去の話であり、現在では愛玩動物となっている。
まあ、ここでは家畜の厳密な定義は不要でしょう。それよりも、家畜化の歴史(〜種の改良)の方に興味が有ります。

28)特徴:
29)家畜動物には、野生のものには見られない、ある程度共通した特徴が見られる。
   ・形質が非常に多様化すること。特に非適応的な形態のものが現れること。
   ・繁殖期が延長すること。
   ・病気等への耐性の低下。
   ・繁殖等への人の手助けが必要になるなど、自立性の低下。
   ・家畜は育種により代謝を極限まで高められているため、酸化ストレスの元となる活性種(代謝の副産物)が多い
ヒトの保護下に有る為、自然淘汰が働きにくいのでしょう。
30)このような現象は、ある程度人間にも共通する。これは、人間が文明を築く内に、自らもその環境下での生活に適応した結果と考えられ、このことを自己家畜化という。
31)なお、ミツバチやカイコは昆虫であり、通念上これらを家畜と呼ぶ事は少ないが、上記の家畜の定義に適い、この項に示される性質を共有する。その点では家畜であるといえる。
人間が助力して、共存を図る事も多いです。虫媒花用の昆虫、ホタル、蜘蛛、トンボ、アイガモ、但し、モグラは厄介者です。(笑)

32)代表的な家畜:→「家畜一覧」を参照
家畜の一覧はこれらに詳しい(煩雑)ですが、その前にまず、§家畜化の歴史を調べる事にします。

33)家畜化の歴史:
34)最も古い家畜は、イヌである。タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)が家畜化されたという点ではほぼ定説となっているが、その地域と時期については定説が確立していない。
   →詳細は「イヌの起源」を参照
家畜化の目的は、狩猟用でしょうか?
35)ヤギ・ヒツジ・ブタは紀元前8000年頃の西南アジアで、それぞれパサン・ムフロン・イノシシから家畜化されたといわれる。
36)ブタは中国でも独自に家畜化されている。
37)ウシは、タウリン系牛(コブウシ以外のウシ)が紀元前6000年頃の西南アジアで、コブウシがインドで、それにおそらく北アフリカでオーロックスから家畜化されている。
38)ウマは紀元前4000年頃のウクライナで、ロバは同時期のエジプトで、スイギュウも同時期の中国で家畜化されている。
39)リャマやアルパカは紀元前3500年頃のアンデスで、グアナコやビクーニャから家畜化された。
40)ヒトコブラクダは紀元前2500年頃のアラビア半島で、フタコブラクダも同時期の中央アジアで家畜化されている。
41)ネコに関しては、北アフリカでネズミを駆除する目的で飼い始めたと考えられている。

42)大型の動物では、その他にトナカイ・ヤク・バンテン(バリ牛)・ガウルが古代に家畜化をされている。
43)現代でもイランドやシマウマを家畜化しようという試みはあるが、これら以降に(狭義の)家畜化がなされた大型の動物は存在しないのが実情である。
44)インドゾウは使役目的で古くから使われているが、人間の飼育下での繁殖はほとんど行われず、専ら野生の個体を捕獲して調教を行ってきた。
45)大型哺乳類のうち家畜化できたといわれているのは15種程度と言われている。
46)1950年代半ばからロシアの神経細胞学者リュドミラ・ニコラエブナ・トルットとロシア科学アカデミーの遺伝学者ドミトリ・ベリャーエフはキツネを家畜化する実験(人為選択による馴致化実験)を行った。
47)1960年代半ばの4世代目頃になると人に懐くようなり見た目や行動も変化が出てきた。
48)19世紀に入って家畜は、監禁を押し進められて、徐々に都市から周辺へと移動させ人間と家畜の空間を分離させることが進んできた。なお、イヌをレストランに連れていったり、公共交通機関で移動する、盲導犬がいる等、
   家畜と人間が空間を共有することで、彼らの取り扱いについての政治的な熟議のきっかけとなるという指摘がある。

49)日本列島:
50)考古学的にはイヌ、ウマ、ウシ、ネコなどの動物は、先史時代にユーラシア大陸で家畜化され、列島に入ってきたと推定されている。その家畜史は、沿海州、中国、朝鮮半島、台湾などと関連があったと推察できる。
51)縄文時代には狩猟犬としての縄文犬が存在し、食用のためイノシシを訓化して飼養することも行われていたと考えられている。弥生時代に稲作農耕の導入に伴い、家畜化されたブタ・ニワトリが大陸から導入され、
   縄文犬とは別系統の弥生犬も導入される。古墳時代にはウマが導入され、古代にはウシが登場する。屠児という言葉があり、これは屠殺業者も示していた(『和名類聚抄』:牛馬を屠り肉を取り鷹〇(鶏の異体字)の餌とするの義なり)。
52)『日本書紀』には「猪使連」という職が記述されており、古代には猪が飼育されていたという。
イノシシを飼育すると、何世代位でブタに変わるのでしょうか?

53)家畜と文化
54)通貨:
55)家畜は物々交換が行われていた時代において貴重な通貨であった。そのため、その名残は貨幣単位にも引き継がれた。例として、旧約聖書ヨブ記42.11に登場する通貨単位ケシタ(英語版)は、
   もっとも初期のギリシャ語版では子羊と訳されていた。ローマ時代の貨幣ペクニア(ラテン語:pecunia)は家畜を意味するPecusから来ている。
56)盗難:
57)牛の盗難、馬泥棒、ミツバチ泥棒など、歴史的に多くの家畜を奪う行動が見られた。対策として巣箱などに焼印、マイクロチップなどで所有権を主張、GPSタグなどで追跡し、情報提供者には報奨金が支払われるなどが行われた。
   ギリシア神話のヘルメースがアポロンの牛50頭を盗んだ神話などが残る。
§家畜と環境以下は省略します。次は「家畜一覧」ページです。

1)家畜一覧では、何らかの基準を設けたうえで家畜を分類し、列挙する。
2)なお、本項は全ての家畜について言及するものではない。広義の家畜の定義に適う種を無制限に上げ始めれば切りが無いため、代表的な家畜と、代表的でなくとも特筆性の高い家畜に限って記載する。
  「家畜化#家畜の一覧」も参照のこと。
家畜化#家畜の一覧は写真付で、一番参考に成ります。そこでこれを、「家畜一覧」ページ終了後に採用する事にします。
3)タクソン別:ここでは、タクソン(分類群)を基準にして家畜を分類する。
省略します。
4)用途別:ここでは、用途を基準にして家畜を分類する。
5)内部体組織、外部体組織、乳、使役、実験動物、娯楽、愛玩
6)関連項目:家畜−家畜化、家禽、ペット

次は「家畜化」ページです。
1)家畜化の条件:
2)進化生物学者ジャレド・ダイアモンドの著書『銃、病原菌、鉄』(2013年刊、原著1998年刊)によると、家畜化に適した動物(大型哺乳類)の条件は次の6つを満たすものである。
3)1.飼料の量
   多くの種類の食料を進んで食べ、また生態ピラミッドの下位に位置する飼料(トウモロコシやオオムギ)を、そのなかでも特にヒトが食べられない飼料(秣(まぐさ)や牧草など)を主食とする動物は、飼育に多くの出費を必要としないため、
   家畜化されやすい。純粋な肉食動物は、たくさんの動物の肉を必要とするため、家畜としては不適であるが、例外として、残飯で飼育できるうえに害獣を狩れるものは家畜化される場合がある。
  2.速い成長速度
   ヒトより速く成長して繁殖可能になる動物は、ヒトの手で繁殖させることにより、ヒトにとって有用な性質を具える家畜へと比較的短期間で変容させることができる。
   一方で、ゾウのような大きな動物は、役畜として有用になるまでに長い年月を要する点で、家畜には不向きである。
  3.飼育下での繁殖能力
   飼育下で繁殖したがらない動物は、ヒトの手で有益な子孫を得ることができない。パンダやアンテロープなど、繁殖時に広いテリトリーを必要とし、飼育された状態では出産が難しい動物は家畜にならない。
  4.穏やかな気性
   大きくて気性の荒い動物を飼育するのは危険である。例えば、アフリカスイギュウバッファローは気まぐれで危険な動物である。アメリカのペッカリーやアフリカのイボイノシシとカワイノシシはイノシシの一種であり、
   家畜化されたブタと似たような部分があるものの、飼育が危険であるために家畜化は成功しなかった。
  5.パニックを起こさない性格
   驚いたときにすぐに逃げだすような性格の動物も飼育しておくのが難しい。例えば、ガゼルは素早く走り、高く跳ぶことができるので、囲まれた牧場から簡単に逃げ出せる。パニックに陥りやすいという点では家畜化されたヒツジも同じ条件ではあるが、
   群れをつくる習性がとりわけ強いため、これをヒトやヒトに指図されたイヌによって利用され、群れ全体を制御されている。
  6.序列性のある集団を形成する
   群れを形成する動物には、個体間で序列性を作り自身よりも序列上位の個体の行動に倣う習性をもつ種ともたない種がいる。ウシやウマ、ヒツジなどは前者の典型であり、集団のヒエラルキーの頂点にヒトを据えることで
   容易に集団のコントロールが可能になるが、同じく群れを作るシカ(トナカイを除く)やレイヨウなどははっきりと集団内の序列を作ることがない。北アメリカ原産のビッグホーンはヒツジの原種であるムフロンとよく似た特徴を具えているが、
   この一点において家畜化されることはなかった。

4)家畜化に伴う変化:
5)一般的に、家畜化される動物には以下のような変化を生じる。
  ・気性がおとなしくなり、ヒトに服従しやすくなる。
  ・脳が縮小する。
  ・ヒトにとって有用な部位が肥大化する。
  これらは、どちらかと言えば人為選択による変化である。それ以外に、副次的に以下のような変異があるとされる。
  ・繁殖時期が幅広くなる。
  ・斑紋など外形の多様性が大きくなる。
  ・病気等に弱くなる。
  ・生活環を全うするのにヒトの手助けが必要になる。
  このような現象は、ヒトの保護下にあることで、自然選択の圧力がかからなくなるために引き起こされるものと考えられる。
脳の縮小は、席亭も知りませんでした。

6)歴史:
7)家畜化や動物の飼育技術の発達には長い時間が掛かるため、短い時間単位でのある一時期を指して「ここで家畜化が起こった」などといった断言はし得ない。動物の家畜化が初めて起こったのは中石器時代のアフロ=ユーラシア大陸
  (アフリカ大陸とユーラシア大陸)のどこかであったとする説が有力ではあるが、それは最も早く家畜化された動物として確証されているイヌの、それが行われた時期をいつと考えるかで大きく変わってくる。
8)イヌの家畜化:
9)イヌは、タイリクオオカミに属する複数の亜種のいずれかから亜種レベルで種分化したと考えられている。時期については様々な説が唱えられており、それらの説どうしの時間的な開きは大変に大きい。
10)最も古い時期を推定するのは分子系統学的知見に基づく学説で、現生人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)の出現以前、つまり、ネアンデルタール人類かプレネアンデルタール人類が成し遂げた可能性を示唆しており、
   紀元前98000年(100000年)を超えた過去にまで遡り得る。
11)また、考古学的知見では、シリアのドゥアラ洞窟(Douara Cave. シリア砂漠にある中期旧石器時代の洞窟遺跡)にある紀元前33000年前(約35000年前、ムスティリアン期)のネアンデルタール人
   (ネアンデルタール人類)の住居跡から出土した“オオカミでもジャッカルでもなく、イヌにしか見えない、小さなイヌ科動物の成獣らしき個体の下顎骨”が、“人類史上最古の家畜化の証拠”かも知れない遺物である。
席亭も、ネアンデルタール人とイヌが共存していたとは知りませんでした。現生人類=樹上生活と仮定すると、大規模な狩を他者から教わった可能性も確かに有ります。(笑)
12)しかし、多くの学説はやはり現生人類の手で成し遂げられたと主張している。それらの説については「家畜と原種、時期と場所」節の「イヌ」の欄を参照のこと。
13)最も遅い時期を推定するものは紀元前11000年以前(約13000年前)とする。地域については、かつては中東説が有力であったが、ミトコンドリアDNAの解析が成されて以降は東アジア説が最も有力となった。
14)しかし2010年代後半になると別系統の分子系統学的視点から中東説とヨーロッパ説が多くの研究者の支持を集めるようになってきてもいる。

15)ヤギとヒツジの家畜化:
16)イヌに次いで家畜化されたのはヤギとヒツジで、これらも時期については諸説あって、ヤギがヒツジに先行したともヒツジがヤギに先行したとも主張される。
イノシシや牛などと比べると、獰猛ではないですものね。(苦笑)
17)いずれにしてもおおよその時期は紀元前8千年紀の前後数千年の間のことで、地域は、ヒツジがメソポタミア地方、ヤギはその北東に位置するイランであったとされている。
18)ヤギとヒツジの家畜化は、定住による人口増加とそれに伴う野生動物の減少を補う手段であったと考える研究者もいるが、遊牧民によって成されたというのが従来の考え方である。
両者の放牧との相性は良さそうです。また草→乳、肉の変換は、魅力的です。
19)乳(山羊乳)や毛(羊毛)など二次生産物の利用は、家畜化からかなりの時間が経ってから行われるようになったとする説もあれば、ヤギの家畜化は肉・乳・皮の利用から始まったとする説もある。
20)また、ヒツジの家畜化は、先行して始まっていたヤギの利用では十分に補えない、ヤギのそれより栄養素として高品質な脂肪と、被服に活かせる高品質な毛の確保にあったとする説がある。
毛糸で作った衣服は暖かそうです。ですから、地球の寒冷化と関係が有るのかも・・・

21)アメリカ大陸における家畜化:
22)なお、家畜化のほとんどはアフロ=ユーラシア大陸で行われてきた。アメリカ大陸で家畜化された動物はわずかにシチメンチョウやノバリケン、モルモット、リャマ、アルパカ程度に過ぎず、特に運輸に使用できるような家畜は
   南アメリカのリャマ一種に過ぎない。
23)特にオルメカ文明・マヤ文明などのメソアメリカ文明においては家畜化はほとんど行われず、ユーラシア大陸からベーリング地峡経由でヒトに連れられて渡ってきたイヌと、現地で食用として家畜化されたシチメンチョウ以外には、
   家畜は存在しなかった。
24)家畜の一覧:
写真付のこのセクションは、かなり参考に成ります。興味の有る方はご一覧を。以下は省略します。
次は飼育の方ですが、畜産、牧畜、放牧、酪農などにはどの様な違いが有るのでしょうか?
放牧の方は(遊牧、移牧、放牧)のセットで語られる様です。また酪農の方は畜産に含まれる様です。
ですから最初に、「畜産」ページを調べる事にします。

1)畜産は、動物のうち家畜・家禽を繁殖、飼育または肥育し、乳製品、肉、卵、皮革など畜産物を得て生活に役立てる産業である。
2)飼育する動物が水棲動物である場合は、養殖と呼ぶことが一般的である。
3)畜産を営む農家は、特に畜産農家または畜産家と呼ばれる。
まあ普通の農家でも、鶏やブタ、ヤギなどは飼育しています。(笑)

4)放牧により畜産をする場合には、牧畜とも言う。
5)乳を得ることを目的とする場合には酪農と言う。
現代では牛乳の入手のみを専業とする酪農農家も居るでしょうが、古代ではそんな農家は居ないですよね?(笑)
6)畜産業を営むためには、「化製場等に関する法律」に基づく保健所(都道府県)の許可が必要になる。
7)業としない場合でも、同一地域に一定数以上の家畜を飼育する際には該当する。
これは現代の日本での話で、かなり唐突です。要らないと思います。
8)畜産は食糧確保の手段である一方で、後述するように、環境問題や倫理問題等の指摘もある。
確かに、周辺にくさい臭いをまき散らすのです。

9)歴史:→詳細は「農業の歴史」を参照
10)畜産の誕生:→詳細は「新石器革命」を参照
この新石器革命(〜農業革命)は、既にご紹介しています。
11)動物の家畜化は、狩猟が非生産的であったときに食料を手に入れる必要性によって推進された。家畜の望ましい特徴は、飼い主にとって有用であり、健康に育つ事ができ、自在に繁殖させることができ、容易に世話できるべきである。
12)動物の家畜化は単一の事象ではなく、異なる場所で異なる時期に繰り返される過程で起きた事象である。羊と山羊は中東の遊牧民に同行した動物であり、牛と豚はより定住したコミュニティと関連していた。
13)家畜化された最初の野生動物は犬であった。おそらく若い個体から始まる半野生の犬は、害獣の腐肉食動物や天敵として許容されていた可能性がある。犬は群れで狩りをするパックハンターであり、人間の群れの一部となって
   狩りに加わる傾向があった。
14)被食動物であるヒツジ、ヤギ、ブタおよびウシは、農業の歴史の初期に徐々に家畜化された。
15)紀元前8500年から8000年にかけて、豚は近東で家畜化され、紀元前8500年ごろには肥沃な三日月地帯の中または近くのヒツジとヤギ、紀元前8500年ごろには現在のトルコとパキスタンの地域の野生のオーロックスのウシが家畜化された。
16)牛は村の人にとって大きな利点であった。というのも、牛は子牛が必要とする以上に多くの乳を生産していたからである。強い力は働く動物として使うことができ、作物の生産を増やすために鋤を引いたり、作物を畑から家に持ち帰るために
   そりを引いたり、後に荷車を引いたりすることもできたからである。
17)最初に輓獣が使われたのは紀元前約4000年の中東で、農業生産は計り知れないほど増加した。
18)南アジアでは、象は紀元前6000年までに家畜化された。

19)紀元前5040年の化石化されたニワトリの骨が中国北東部で発見されている。彼らの野生の祖先が熱帯アジアのジャングルに住んでいた場所からは遠く離れているが、考古学者たちは家畜化の本来の目的は闘鶏のスポーツであった
   と考えている。
20)一方、南米では、ラマとアルパカは、おそらく紀元前3000年以前に、重荷を運ぶため、また羊毛のために家畜化されていた。どちらも、新世界の農業の発展を制限する鋤を引くほど強健ではなかった。
21)馬は中央アジアの草原に自然に生息しており、紀元前3000年ごろに黒海やカスピ海(地方で家畜化されたのは、もともとは食肉用であり、また、荷物を運ぶ駄獣として、人を運ぶ乗馬用に使われていた。
22)同じころ、野生のロバがエジプトで飼いならされていた。その後すぐにラクダが飼いならされ、モンゴルのフタコブラクダとアラブのラクダは荷物運びのための家畜となった。
23)紀元前1000年までに、アラブのラクダのキャラバンがインドとメソポタミアや地中海沿岸地域を結びつけていた。

24)古代文明:
25)古代エジプトでは、ウシが最も重要な家畜であり、ヒツジ、ヤギ、ブタも飼われていた。アヒル、ガチョウ、ハトなどの家禽は、網で捕獲されて農場で飼育され、そこで強制的に練粉を与えられて肥えさせたとされる。
26)ナイル川は魚の豊富な供給源であった。ミツバチは少なくとも旧王国から家畜化され、蜂蜜と蜜蝋を供給していた。
27)古代ローマでは、古代エジプトで知られていたすべての家畜が利用可能であった。さらに、ウサギは紀元前1世紀までに食物として家畜化されていた。ウサギを巣穴から追い出すために、ケナガイタチはフェレットとして家畜化された。
   この方法はガイウス・プリニウス・セクンドゥスによって提唱されたものである。
以下は省略します。

28)飼育される主な動物:
飼育環境や飼育方法は現代のそれですが、それでも参考に成る部分も有ります。
29)ウシ:
   母牛を飼育し、交配させて子牛を得てそれを販売する農家を繁殖農家と言い、子牛を購入して飼養し、主に肉牛として販売する農家を肥育農家と言う。乳牛を飼養し、乳を主に販売する農家については酪農家と言うが、
   乳牛の加齢等により乳の生産量が採算水準を下回ると乳牛を廃牛にし、肉用として販売することが多い。アメリカ大陸では大需要地である都市から遠く離れた経費の低い地方で繁殖を行い、ある程度育った若牛を群にして数人の騎乗の牧人が
   数週間をかけて都市に近い牧場へ輸送し、そこで肥育してから屠畜場に送るというスタイルをとる場合も多い。
30)ブタ:
   養豚(ようとん)。飼育された豚は、ほとんどが食肉(豚肉)用として出荷される。ペット用の品種であるミニブタの繁殖・販売については、養豚扱いする自治体としない自治体がある。
   また、イノブタというブタとイノシシのハーフも存在し、発祥地である和歌山県が主産地になっている。
31)ニワトリ:
   養鶏(ようけい)。主に採卵(鶏卵)を目的とする場合と、食肉(鶏肉)を目的とする場合。そしてそれらの種鶏を得る種鶏場がある。採卵目的のニワトリが産卵率の低下により廃鶏とされると、通常の食肉にされることはほとんどなく、
   主に加工食品に利用される。(ごく稀にだが)ペット用として観光牧場やニワトリスト(愛鶏家)に引き取られることもある。また、チャボなどの愛玩鶏の繁殖・販売は、愛玩鶏の多くが天然記念物に指定されている品種が多く、
   「種保存の意味合い」で養鶏にあたる。
32)めん羊:
   羊毛・食肉(羊肉)・乳を目的とする。オーストラリアやニュージーランドに多く、日本では少ない。
33)ヤギ:
   毛・食肉・乳を目的とする。観光展示用に飼っている所もある。
34)ウマ:
   アメリカ合衆国とオーストラリアが中心。乗用(乗馬)や競馬用の軽種馬・中間種の繁殖・育成が多い。その他、観光用・肉用(馬肉)など雑多。日本では、北海道日高地方と鹿児島県大隅地方が軽種馬の代表的な産地である。
   一方、肉用馬は青森県南部地方(県の東部)・山梨県・長野県・熊本県が主産地。
35)ラクダ:
   中東諸国が中心。肉・乳・毛の採取以外にも、乗用や競駝としての利用がある。
ラクダは砂漠のシンボルでしょう。(笑)
36)ダチョウ:
   肉・革・卵・観光用。
観光用は、やはり競駝でしょうか?(笑)
37)アヒル:
   肉・卵・観光用。
38)ホロホロチョウ:
   肉・観光用。和歌山県の名産品。
和歌山県・・・は知りませんでした。チョウとありますが、蝶ではなく鳥です。
39)ミツバチ:
   養蜂(ようほう)。蜂蜜や蜜蝋などを採取するほか、園芸栽培において受粉をするために飼育する農家も存在する。岐阜県が近代養蜂の発祥地。
40)カイコ:
   養蚕(ようさん)。絹糸や蚕沙を採取する。日本の行政では、養蚕は畜産扱いされていない。衰退気味であるが、近年は人工血管や手術用の糸(縫合糸)などの医療用材料として再注目され始めている。
カイコ=絹ですが、明治初期は外貨をガバガバ稼ぐ為の換金商品でした。
41)カブトムシ:
   幼虫の頃から養殖し、成虫になってまもなく全国のデパート等に出荷する。
42)イヌ:
   番犬・盲導犬・警察犬など用途は多数。
勿論、当初は猟犬でした。
43)ガチョウ:
   肉・卵・羽毛を目的とする。また、ガチョウの脂肪肝化した肝臓が世界三大珍味の一つとして知られるフォアグラであるが、生産過程で強制給餌を伴うことから、動物虐待に当たるとして生産や販売を禁止する動きが広がっている。
以下は省略します。次は「牧畜」ページです。

1)牧畜(ぼくちく)とは、牛や羊、兎などの家畜を人工的に養育して数を増やし、その乳や肉、それらの加工保存食、皮革や羊毛など家畜の身体に起源する生活用具を主たる生活の糧とする生業を指す。
  その中でも、特定の居住地を定めずに季節や天候に応じて家畜を引き連れて移動する牧畜生活を遊牧と言う。また、牧畜を主体とする社会を牧畜社会と呼ぶ場合がある。
2)牧畜社会は人口密度の低い山岳部や半砂漠地帯、大草原地帯など農耕では食糧需要を満たせない場所で盛んに営まれる。牧畜民は隣人からの強奪などによって全財産とも言える家畜を失う危険を常に抱えていたために、
  男らしさや名誉を重んじる文化や、政府の力を頼らない自衛の文化がある。スコットランド人や地中海周縁部の諸民族など、かつて牧畜民だった民族にもこうした文化が多く見られる。
まあ、夜盗と隣り合わせ、という事です。ですが都会とは違い生産性が低い土地には、強大な悪も存在出来ませんよね?(苦笑)

3)家畜:
4)ヨーロッパの北部や中央アジア・アラビア半島・サハラ砂漠周縁部などの乾燥地、アラスカ・シベリアなどの寒冷地で主要な生業となっている。そのため、乾燥や寒冷といった土地ごとの気候にあった家畜が選択される。
5)例えば、もっとも乾燥が激しいサハラ周縁部ではラクダが、もっとも寒冷なアラスカ・シベリアなどではトナカイが飼育される。
6)牧畜の歴史は古く、農耕とならんで紀元前5000年頃、新石器時代の古代エジプトなどではすでに行われていた。狩猟も同じく動物を対象とするが、定常的に動物と接することになる牧畜とは文化的・技術的に大きな隔たりがある。
7)最初に家畜化された動物はイヌであるが、牧畜のための最初の家畜はヤギやヒツジであると考えられている。牧畜に特化した犬を牧羊犬と言い、コリーやシェパードなどの品種がつくられている。

8)牧草地:
9)家畜のエサとなる牧草が生えている土地あるいは栽培されている土地を牧草地(ぼくそうち)という。これは、牧場主や企業の所有する私的な牧草地と、住民に広く開放されているされている地域コミュニティの共有の牧草地とに二分できる。
  後者には、自然地形をそのまま利用した共有の放牧地も含まれる。近代的な牧畜あるいは先進国の牧草地は、前者であるが、歴史的には後者の自然地形を利用した放牧地あるいは地域コミュニティの共有の牧草地が主流であった。
10)しかし、現在の開発途上国における牧畜でも、地域コミュニティや自然地形を利用した共有の牧草地は無視できない。このような牧草地は、地域コミュニティのメンバーが利用、管理するローカル・コモンズといえるものである。
11)歴史的に見ると、自然地形を利用した放牧地あるいは地域コミュニティの共有の牧草地は、利用者が他の利用者にも配慮して牧畜を行ってきた。共有地(コモンズ)を巡っては、利用者が家畜を過剰に飼育し、
12)共有地の牧草を収奪的に利用する過放牧が進行するとして、「コモンズの悲劇」が主張されることもある。
13)しかし歴史的にみると、コモンズの悲劇によって牧畜が衰退した事例はほとんどないと考えられる。
これらは自治の典型でしょう。そして「放牧」、「酪農」ページは省略致します。

Civにおける太古時代も、そろそろ終了の時期です。席亭のゲームデザインでは、メソポタミア→エジプトからギリシア文明に差し掛かる辺りです。
Civの太古時代のテクノロジーとは、農業、陶器、畜産、弓術、採鉱、帆走、暦、筆記、トラップ、車輪、石工術、青銅器、でした。
席亭のゲームデザインにおいても、これらテクノロジーの一部は既に紹介されています。対応するページは、農耕社会、土器、家畜の飼育、武器、−、造船と操船、暦、転写、狩猟、−、石器、−、です。
そこで次回のページは、採鉱と青銅器に相当する「貴金属と鉄」と致します。残るのは車輪だけです。

→貴金属と鉄